43 神様のメモ帳2

神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)

 わたしが恥ずかしながらも号泣したライトノベルの続編。あまりに危険過ぎる事件に挑むニートたちが繰り広げる、探偵物語。今回は泣きはしなかったが、始終ハラハラしながら読んだ。経済のお話がわからないとちょっと難しいかもしれないけれども、わからなくてもまあ大丈夫な感じ。多分、主人公もそこまでちゃんとわかっていない、と思う。この場合の「わかっていない」というのは、経済の仕組みについてというよりは、その危険性や重大性について、と言った方が正しいかもしれない。とにかく「無茶しやがって」と言いたくなるような、そんな物語だった。
 テンポ良く展開していくなと思っていたら、実は見えないところで物事が進んでいたり、気付いたら置いてけぼりを食らっていたりして、なかなか一筋縄ではいかない。また、主人公が前作の終わりで負ったトラウマと戦っているような描写が何度か出てくるが、その様子があまりに弱くて「しっかりしろ!」と尻を叩きたくなった。逃げているだけの主人公に苛々が募っていくが、それも作者の思惑通りだったのかもしれないな、と全てを読み終えた後にそう思った。そうだとしたら相当な策士だ。小説家って得てしてそういうものなのかもしれないけれども。
 わたしとしては、面白く読めたので評価は上々。前作と比較して、キャラクター萌え度が増していたのはやはり続編だからだろうか。ストーリーは勿論だが、キャラクターたちの魅力的な部分が大いに引き出されていたように感じた。愛すべきライトノベルと出逢えて本当に良かった。
 そして、この文章を書くために以前の記事を探してみたら、第一巻を読んだのが三年前だったという事実に驚愕した。読書ペース遅すぎでしょう、いくらなんでも。シリーズものはなかなか全部読み終えられないという弱点をこの「神様のメモ帳」で克服したい。