25 文学少女と死にたがりの道化
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: 文庫
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太宰の「人間失格」をモチーフにした事件が起き、死やトラウマなどと真正面から向きあうシリアスな展開の中でも、ほのぼのとコメディたっちな部分もあるので、気が重すぎになることなく読み終えることが出来た。多少のお色気シーンもあったりとライトノベルならではのサービスシーンもある。多少やりすぎと感じる表現手法などもあったので、そこに違和感を覚える人もいるかもしれない。しかし、登場人物それぞれがきちんとした個性を持っていて、それを利用する形となった事件の顛末はなかなか面白い。
遠子先輩の本の食後の感想は、本当に美味しそうだ。わたしも本そのものまでもを食べてしまおうとは思わないが、物語が食べ物として形になって出てきてくれないものかとは思う。わたしの書く物語が遠子先輩にはどんな味となって届くのか、一度食べてみてもらいたいものだ。